「想定しないリスク」とは

「想定しないリスク」とは

想定しないリスクとは、見たくない事実を言います。

「想定しないリスク」とは

想定しないリスクとは、見たくない事実を言います。

一つ前の記事で、リスクには「想定するリスク」と「想定しないリスク」があると書きました。

「想定するリスク」はリスク発現時に被る被害想定額が基準となって、対応するのかしないのかが決まります。

 

問題は「想定しないリスク」とは何かです。

 

想定しないリスクには、3種類あると私は考えています。

1)リスク考察において設定した前提によって、想定外とされたもの
2)ブラックスワン
3)灰色のサイ

 

1)は正直に申し上げて、考察者や事業者の怠慢です。
前提を置いた場合は一度考察が終了してから再度、前提の見直しをするべきものです。通常日本では、前提に立ち戻って再度考察されることがほとんどありません。いや、皆無でしょう。
如何に内部外部からの圧力や反対があったとしても、一端検討のために置いた前提は、その有効性や範囲を再検討するべきなのです。

 

2)はそれまでの前提や常識が覆る事象です。詳しくは、同名の書籍を読んでください。ここでは解説しません。

 

3)「灰色のサイ」は「誰もがその存在を知っているが、見ないふりをしている問題」です。日本の国債発行残高の過剰性や韓国の家庭債務残高など、みんな知っているけれども見ないふり、あるいは過小評価を決め込んでいるものです。

 

日本の10年もの国債の評価が下がると、同時に日本に本店/本社を持つ会社の国際的な評価が下がります。これはその会社が本店/本社を持つ会社の評価基準が、その国の国債の評価基準から2upまでしかいけないという評価慣行のためです。すなわち国際金融市場において、資金調達面で圧倒的に不利になるのです。
この点については、帝京大学教授の宿輪先生がお詳しいのでお尋ねになるのが良いでしょう。

 

この日本の国債発行残高は、日本における典型的な「灰色のサイ」と言えます。

暴れなければ無視を決め込めるが、暴れ始めたら手がつけられないものなのです。