前の投稿の続きです。
では、組織にとって最大のリスクは何か。
「誰がトップなのか」「誰をトップにするのか」であることは、前の投稿をお読みになっていれば容易に推定できるでしょう。
組織にとっての最大のリスクは、その時の組織のトップが誰なのかということです。トップが時代にあった人ならばよし。最悪は自己保身が強く、ヒラメな人だった場合です。ヒラメは自分が頂点に達した時、暴君に変わります。
暴君に逆らうまいと、部下はヒラメしか生き残れません。
ヒラメ達はどうするでしょうか?
現状を覆い隠し、改竄し、企業価値を毀損し、顧客を離反させ、それでも自分の地位にしがみつこうとします。
私の大事なお客様に私が担当を外れてしばらくした後、その様になった会社があります。
担当していた時も何ともいえない違和感を感じていました。
「こと」が明るみに出た時。
あの違和感の正体がわかりました。
「上司の顔色だけを見て、現実を見なかった。」
必要なのは、上司の評価だけだったのです。
ということは、トップがそういう人だったのです。
また担当していた別のお客様では、「アイツだけは社長にするな」と創業者が言っていたにもかかわらず、その人が社長になった途端、築いてきた技術の革新をやめてしまいました。
企業そのものが、慢心したのです。
その会社も昔日の面影がありません。
私が大好きだったオーディオメーカーにナカミチがあります。
同社のテープデッキを、今でも3台持っています。
ここもそうでした。
トップが変わった瞬間に、大顧客だったトヨタに喧嘩を売ってしまいました。
その後も迷走が続きます。
彼は、ナカミチをB&Oにしたかったのかもしれません。
まずそこから考える必要があります。
私のトップは誰なのか?
自分自身が自分のトップです。
その自覚がない限り、「時代という構造」や自分の背負ってきた文化、過去に流されるしかなくなります。
私たちは何のために、何を学び、どうしたいのでしょうか。
その覚悟がないまま生きることが、私たち一人一人にとって、最大のリスクであり、それを考え悩むことが、最良のリスクマネジメントなのです。