原価構造と売価の関係

「商売とは儲けることである。」

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「商売とは儲けることである。」

 

松下幸之助翁曰く、「利益とは、もっと頑張れと言う社会からの応援」。
その通りなのです。
第一利益がなければすなわち「儲け」がなければ、活動を永続できません。
さてでは「儲け」を出すには、どの様な事をしなければならないのでしょうか?

 

荒利益   = 収入   − 原価(仕入れがある場合や、研究開発費)
経常利益  = 粗利益  − 経費(人件費、事務所、光熱費などなど)
税引前利益 = 経常利益 − 利子、特許利用料、雑収入等
税引後利益 = 税引前利益− 税金(事業所税などの地方税、国税)

 

さて私がこの中で一番注目しているのが、経常利益です。
特に働いている一人当たりの経常利益を一番重視しています。
この数値を最低でも5年ほど追いかける事で、その組織や会社がどうなっているのかの概観をつかみます。
一人当たりいくらまで追加で掛けられるのかは、その会社の体力を見る上で非常に重要な指標だからです。

 

さて能書きはそれくらいにしておいて、では売価はどの様に組み立てるのでしょうか。なぜならば経常利益を最大化するには、売価を大きくしないといけません。

 

一般に売価は下記の様に組み立てます。

 

販売サイドの視点   売価 = 市場価値(お客様の相場感、価値観)
製造サイドの視点   売価 = 製造原価 × 利益率 × 安全係数

 

商売人の本質は言うまでも無く、販売サイドの視点です。
世の中の価値観や社会情勢、お客様の感情動向に応じて価格を弾力的に変動させる。
ただし大事な視点があります。

 

「商道徳」は守る。

 

今回の騒動でマスクが無い、トイレットペーパーがないなどとまた騒ぎになり、転売屋(糶取り屋)が表面を横行して顰蹙を買いました。
こう言う行動を反面教師として、「商道徳」で許容される範囲で値上げをした会社が一番賢かったと言えるでしょう。

 

さて住宅や会社間の取引では、製造サイドの視点で作られた価格が一般的です。B2B(Business to Business)では、上司や社内を説得しやすい手っ取り早いツールとして、原価積み上げ方式による価格提示が行われます。
要するに元々の製造原価の中に「お客様の相場感」や、「社会情勢」を織り込んだ上で提示するのが、下記の考え方です。

 

ところが製造原価の中に「お客様の相場感」や、「社会情勢」を織り込まないで、本当の製造原価で計算することが横行しています。
一部の超高級ブランド化しているものは別として、一般庶民を相手にする商売においては、よく見かける光景です。

 

ですがどうでしょうか?

 

私たちが商売を始めるのは、「利益」を上げるためです。

 

であれば、一度「原価構造」と「お客様の価値観」の両方から売価を決めてはいかがでしょうか?
「お客様の価値観」が勝っているのであれば、理由を見つけて迷わず値上げするべきです。
逆に「お客様の価値観」が低いのであれば、「製造原価」を始め経費構造を見直すか、撤退するしかありません。

 

これからの厳しい厳冬の時期を迎えるにあたり、今のうちに検討される事を切に願うのです。